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“塾”も“競争”もない世界一の「教育大国」

2008年12月05日 04:03

【MediaSaborより】

 2000年より3年ごとに実施されている、経済協力開発機構(OCED)の学習到達度調査(PISA)で、毎回好成績を収めているフィンランド。2003年実施分で、トップに躍り出てからというもの、世界各国から学校視察の申し込みが殺到し、日本もその例外ではなかった。が、それ以来、日本で報じられているフィンランドとは「塾もないのに」、「競争もないのに世界一」という、大層ミステリアスな教育の国になっている。
 まずこの、「塾もないのに」という驚きのフレーズに注目したい。地元のフィンランド人を捕まえて、日本の普通の中高生のライフスタイルを語るのに、“受験”はまだいいとして、“塾”についての話となると、人々は首をかしげる。「なぜそんなものがあるの?」 あるいは、とっさに「そんなものに行かなくてはならないほど、学校の授業がお粗末なんだね」と結論づけられる。かつて塾とは、日本が「教育大国」のタイトルで名をはせた頃に“JYUKU”という英単語ができたぐらいの、日本初の学習必勝アイテムだ。これが英語圏ではないことと、北のはずれにあることによって、フィンランド人には初耳のシロモノとなる。

 それどころか、甥が日本の高校に留学していたというフィンランド人男性から、面白日本見聞録を聞かされた。「日本の教育って悪いんだってね」と。――これは、「おまえのかあちゃんデベソ」と同じ原理で、日本人が自分で日本の教育を悪く言う分には差支えがないものだが、面と向かって外国人から言われるとカチンと来ないわけにはいかない。彼の甥曰く、「日本の学生達は、放課後もまた別の学校(=塾)、に通っているため、昼間の学校の授業時間中は、起きているのがやっとのゾンビみたい」なのだそうだ。東の向こう側で「塾もないのに」と驚く一方、北の果てでは「塾なんてものに行かなくてはならないなんて・・・・・・」と憐れまれているのである。この差は大きい。

 受験や偏差値がないことから“競争もないのに”と驚かれているフィンランドの学校システムではあるが、どちらかというと、どの生徒も小学一年生からして、「帰宅後すぐに宿題をすませる」ことの方が注目に値するのではないだろうか。所要時間は30分前後という無理のない量だが、毎日の宿題をやらない、あるいは、やり忘れる生徒はほとんど皆無だという。

 フィンランドは、25歳から54歳までの女性の就業率が81%と、欧州屈指の共働き社会だ。その共働き家庭では、両親が午後4時まで仕事で帰ってこない家に、カギっ子の小学生が一人で帰宅して、一人で宿題をすませておくのがスタンダードだ。宿題とは、親に促されてやっと手をつけるのではなく、親が帰ってくるまでにもうやっておくもの――各家庭でそういう躾がなされているのだ。共働きが当たり前の社会では、子どもの自立をのんびり待っている余裕などないのである。

 また、フィンランドの学校では、生徒が留年してやりなおしができる落第制度があるという点が、日本のメディアでは大きく評価されているようだが、この制度は、パイヴァコティ(保育園)の時からすでに始まっている。保育園は、0歳児から4歳児までの年少クラス、3歳児から5歳児までの年長クラスと5、6歳からのエシコール(プリスクール)の三部から成るのだが――それぞれのクラスの年齢に“ダブリ”があるのにお気づきだろうか。

 夏休み後の新学期――8月の新しいクラス替えで、園児達は、全員が持ち上がりで同じクラスに配属されるわけではない。この時点で、上のクラスに上がれる子と、同じクラスに留年する子が出てくるのだ。もちろん、クラスの人数の関係など、理由は必ずしも他との比較による“遅れ”ではないのだが、クラス編成は、年齢ではなく、それぞれのクラスでの“適応能力”が基準となっている。

 新学期が始まってしばらく、子ども達の間では、どの子が上のクラスに行けたか残ったかで話題が持ちきりだ。親にとっても、たかが保育園、プリスクールとはいえ、同じクラスで一年やり直しというのは決して小さな問題ではない。システムや制度はどんなものであれ、競争心のない集団などあり得ない。いくらのんびりしたフィンランド人とはいえ、周りから遅れをとっても、カエルの面になんとか、というほどまでお気楽なものではないということを、釘刺しておきたい。

【MediaSaborより】


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